既存住宅現況検査(住宅の健康診断)06


既存住宅現況検査(住宅の健康診断)の6回目です。

きょうは検査項目のうち

1 基礎(構造)
2 外壁・軒裏(構造・雨水)
3 屋根(雨水)
4 バルコニー(構造・雨水)

4のバルコニーについてと共通の蟻害、腐朽・腐食についてです。

バルコニーの検査項目は次の二つ
(1)支持部材(柱・梁・根太等)、床の著しいぐらつくき、ひび割れ、劣化
(2)防水層の著しい劣化または水切り金物等の不具合

ここでの支持部材とはバルコニーを構成している柱、梁、根太など構造耐力上主要な部位をいいます。
建物の一部として組み込まれたバルコニーやルーフバルコニー等構造耐力上主要な部材に接しているものが検査対象です。

つまり、既製品の後付バルコニーなど建物の構造耐力上主要な部材を有しないものは検査対象外です。
柱や手すり壁、床など原因は別としてぐらつきがある場合は劣化事象としてとらえます。

バルコニー床が防水をしている場合

防水層の剥がれ、シートの浮き、水切り部分の金物の不具合、また手すり壁上部の笠木などのそのもの自体の不具合、シーリング材の不具合雨漏りの被害が生じる恐れがある場合は劣化事象となります。

ちなみに代表的なバルコニーの防水には次のようなものがあります。

FRP防水
FRP防水は、強度が高く耐久性に優れたFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を応用し、FRPの被覆防水層を形成する工法です。その防水層は軽量かつ強靭で、耐水・耐食・耐候性に優れていることが特長です。

シート防水(塩ビシート、ゴムシートなど)
塩ビシート防水工事とは、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤などで下地に貼り付ける工法です。
ゴムシート防水は、シート状に成形した合成ゴム系の防水シートを、接着剤などで下地に貼り付ける防水工法です。

金属防水
塩ビ鋼板などを用いた工法で軽く強靭、不燃であることで住宅のバルコニーなどに多く使われています。

気をつけなければいけないのはバルコニーに出入りするサッシの下端部分です。しゃがみこんでも見難いので下記のような検査鏡を使います。

kensakagami.jpg検査鏡




次は各部の共通ですが蟻害、腐朽・腐食ついてです。

検査項目は
(1)著しい蟻害
(2)著しい腐朽・腐食

木部の構造体にシロアリの被害が確認できる状態は、構造耐力が一定程度低下していることが明らかで劣化事象になります。
日本に生息するシロアリは下記のようなものがあり、生息域があります。

1)ヤマトシロアリ
2)ダイコクシロアリ
3)イエシロアリ
4)アメリカカンザイシロアリ

 ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布 しています。
 ダイコクシロアリは沖縄、小笠原諸島などに生息しています。アメリカカンザイシロアリは乾いた木材中の僅かな水分で生育できるシロアリです。 元々日本には居なかった種なのですが、木材や家具の輸入によって運び込まれたようです。

秋田県での蟻害として考えられるのはヤマトシロアリが大半であるといっていいでしょう。
近年、基礎の外断熱の断熱材から蟻が侵入した例もあります。各メーカーでは防蟻断熱材を出ていますので新築、断熱リフォームの際はそのような材料を使用することが必要です。

腐朽・腐食についてです。
腐朽は木材腐朽菌によるものです。木材腐朽菌は木を媒介にして成長するキノコです。食卓でお世話になるエノキタケ、シイタケ、ブナシメジなども、学術分類上は木材腐朽菌と呼ぶ菌と同じ仲間(白色腐朽菌)です。
住まいの敵となる腐朽菌として代表的なものは2つです。
その菌によって最終的に木材が変化(腐った)色から、褐色腐朽菌と白色腐朽菌と言われています。

その被害の例がこの写真です。
fukyuukin.JPG


その対策は水か養分を絶つことになります。
そのため、木材を乾燥した状態に保つこと、また、防腐剤による処理も有効です。水は雨水のよるものばかりでなく結露によって水が供給されます。
写真はサッシ脇からの水侵入があって新築当時防腐剤による処理が行われていなかったようです。


次回からは内部の検査(健康診断)に移ります。



既存住宅現況検査(住宅の健康診断)05


既存住宅現況検査(住宅の健康診断)の5回目です。

検査項目
1 基礎(構造)
2 外壁・軒裏(構造・雨水)
3 屋根(雨水)
4 バルコニー(構造・雨水)
今回は屋根についてです。

検査項目は
(1) 屋根葺き材の著しい破損、ずれ、ひび割れ、劣化、欠損、浮き、はがれ
(2) 防水層の著しい劣化または水切り金物等の不具合(陸屋根の場合)

既存住宅現況検査のテキストでは上記のようになっていますが、横手のように屋根葺き材が鉄板の場合はずれやひび割れは瓦などと違い、その事象はあまり見うけられません。むしろ、錆の発生とその度合いが問題になります。

雪降ろしの際に塗装面に傷をつけることは良くあることですし、また外的要因で傷ついたりすることもあります。

yanehason.JPGこの写真は、2階の屋根の氷の塊が1階屋根に落ちてトタンを破って穴があいたものです。
自然に落下する場合や、雪降ろしの場合に落ちる場合があります。この場合は軒先部分で軒天井に漏っていったものの室内に雨漏りはいていませんでした。このような場合は火災保険(総合)の適用があったりします。

錆などは劣化が進む前に見つけて、屋根面の再塗装が必要になります。

(2)はバルコニーなどの場合です。バルコニーはFRPやシート防水、金属板によるものがあります。
その立上り部分や排水口部分、サッシの下部などを検査します。

次回はバルコニーについてお知らせします。



既存住宅現況検査(住宅の健康診断)04


既存住宅現況検査(住宅の健康診断)の4回目です。

前回は外壁の構造的な劣化事象についてでした。今回は外壁・軒裏の雨水についての劣化事象についてかいてみます。
検査項目
1 基礎(構造)
2 外壁・軒裏(構造・雨水)
3 屋根(雨水)
4 バルコニー(構造・雨水) 

2の雨水に関してです。
構造的な劣化事象はなくても、雨水に関しては経年変化で起こりうることもあります。住宅のメンテナンスをするうえでも大切な項目です。
その検査項目は
(1) 外壁目地部分などのシーリング材や防水層の破断、欠損
(2) 軒裏天井等のシーリング材の破断、欠損
(3) 屋外に面する建具や建具廻りの隙間や破損、開閉不良
(4) 建具廻りのシーリング材の破断、欠損

外壁のシーリング材は種類も沢山ありますが、耐用年数は一般的に7年から8年といわれています。防水機能を考慮すると5年をひとつの目安としたほうが良いと思います。外壁の面する方角、地域によっても違ってきます。
補修はできるだけ短いスパンで行っていくことが大切です。
シーリングの必要のない材料や修まりもありますが、現場で加工する部分にはシーリングが必要な場合もあります。

建具の廻りは雨水の浸入のしやすい場所です。外壁とサッシの接合部、サッシの上部などを注意深く検査します。ただ、目視と双眼鏡を使った検査ですので2階のサッシ上部は見えない場合もあります。外壁の汚れなどから判断する場合もあります。

バルコニーなど排水管が外壁を貫通している部分も要注意部分です。そのほかに、エアコンの取り付け金物部分や外壁に取りつけの金具部分も雨水浸入の箇所となりえます。




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