既存住宅現況検査(住宅の健康診断)08


既存住宅現況検査の続きです。内部の2回目です。

内壁・柱(構造)

上記の箇所について構造上問題になるようなひび割れや欠損箇所等を目視により検査します。

(1)下地まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ、剥落
(2)柱・壁における6/1000以上の勾配の傾斜
(3)柱の著しいひび割れ、劣化、欠損

(1)壁の下地材にひび割れや亀裂賀見られる場合は構造材に劣化に起因する恐れがある場合にが想定されます。
(2)6/1000の勾配の傾斜 これだけの傾斜があれば、専門家でなくても目視でもわかります。施工精度考慮したとしても明らかに注意の必要な傾斜です。
  ちなみに、新築工事の瑕疵保険での傾斜は3/1000となっています。これだけの傾斜があれば、傾斜そのものも大事なのですがその傾斜が何に起因するものかが問題になります。

柱の背割り等を除く、著しいひび割れも劣化事象に該当します。

ここでの検査には水平器、レーザーレベル、メジャーなどを使用します。

レーザーレベルは傾きをミリ単位で表示してくれます。柱や床にあてて計測します。レーザーレベルは部屋全体を総合的に計測する際に重宝します。

当社では以下の機器を使用しています。

tnLEVEL350.JPG

シンワのブルーレベル水平器 デジタル350mm

気泡管 感度 0.35mm/m=0.0201°
精度 ±1mm/m=±0.0573°以内
デジタル
表示精度
0°・90° 角度:±0.1°
0°・90°以外 角度:±0.2°
デジタル表示最小表示 立ち上がり:1mm/M
角度:0.1° 勾配:0.1%
使用電池 9V1個
(付属の電池はモニター用のため、寿命が短い場合があります。)
電池寿命 20時間:アルカリ電池使用時
(バックライト点灯・ブザーが鳴り続けた時)
使用温度 0~50℃

レーザーレベルはグリーンレーザーのFUKUDA EK-486Gの5ラインを使用しています。

tnEK468G.JPG


次回は床、床組み・土台についてです。



既存住宅現況検査(住宅の健康診断)07


既存住宅現況検査の続きです。今回から内部の検査内容に書いていきます。
内部一回目は

天井・小屋組・梁(構造)についてです。

上記の箇所について構造上問題になるようなひび割れや欠損箇所等を目視により検査します。

(1)天井における下地材までに達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ、剥落
(2)小屋裏の著しいひび割れ、劣化、欠損
(3)梁の著しいひび割れ、劣化、欠損
(4)梁の著しいたわみ

(1)天井材の仕上げ等にひび割れや亀裂賀見られる場合は構造材に劣化に起因する恐れがある場合にが想定されます。
(2)ここでいうひび割れは、あらかじめ設けた背割れや乾燥収縮による割れは除きます。ただし、乾燥収縮によるひび割れが応力の伝達がされないような状態にあるような場合には劣化事象に該当します。

梁や柱を接合する金物の著しい腐食も劣化事象として扱います。
(3)梁の建築時による切込みなどが経年変化によって発生する不具合も劣化事象として扱います。
(4)雪国では冬場の積雪加重により梁のたわみが発生し、復元せず天井などに影響を及ぼしている場合には劣化事象として扱います。

検査は天井点検口より覗き込んで目視します。天井裏へ進入しての検査はオプション検査となります。住宅の場合、押入れの上部などから目視しますが点検口がない場合はその旨を記録します。

天井・小屋裏は構造的な検査と同時に雨漏り・水漏れによる劣化事象がないかも確認します。

天井の雨漏りの跡、その部分の小屋裏の状況のどを確認します。雪国では雨漏りだけではなく「すが漏れ」による場合もありますので注意深く観察します。
また、天窓の廻りに漏水の後がないかなども確認していきます。

雨漏りはその場所を特定するのは難しく、屋根の破損や外壁との取り合い部分に問題がある場合も多くあります。
また、屋の形状や軒の出などが影響している状況が考えられます。

次回は内壁・柱についてお知らせします。

2月に 既存住宅現況検査員の更新講習を受けてきました。
その更新カードが届きました。検査員は一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会で検索できます。
建築士の区分で1級を選んで、勤務先に秋田県と入力すると 1級建築士で秋田県に勤務先のある既存住宅現況検査員の一覧が出ます。





既存住宅現況検査(住宅の健康診断)06


既存住宅現況検査(住宅の健康診断)の6回目です。

きょうは検査項目のうち

1 基礎(構造)
2 外壁・軒裏(構造・雨水)
3 屋根(雨水)
4 バルコニー(構造・雨水)

4のバルコニーについてと共通の蟻害、腐朽・腐食についてです。

バルコニーの検査項目は次の二つ
(1)支持部材(柱・梁・根太等)、床の著しいぐらつくき、ひび割れ、劣化
(2)防水層の著しい劣化または水切り金物等の不具合

ここでの支持部材とはバルコニーを構成している柱、梁、根太など構造耐力上主要な部位をいいます。
建物の一部として組み込まれたバルコニーやルーフバルコニー等構造耐力上主要な部材に接しているものが検査対象です。

つまり、既製品の後付バルコニーなど建物の構造耐力上主要な部材を有しないものは検査対象外です。
柱や手すり壁、床など原因は別としてぐらつきがある場合は劣化事象としてとらえます。

バルコニー床が防水をしている場合

防水層の剥がれ、シートの浮き、水切り部分の金物の不具合、また手すり壁上部の笠木などのそのもの自体の不具合、シーリング材の不具合雨漏りの被害が生じる恐れがある場合は劣化事象となります。

ちなみに代表的なバルコニーの防水には次のようなものがあります。

FRP防水
FRP防水は、強度が高く耐久性に優れたFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を応用し、FRPの被覆防水層を形成する工法です。その防水層は軽量かつ強靭で、耐水・耐食・耐候性に優れていることが特長です。

シート防水(塩ビシート、ゴムシートなど)
塩ビシート防水工事とは、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤などで下地に貼り付ける工法です。
ゴムシート防水は、シート状に成形した合成ゴム系の防水シートを、接着剤などで下地に貼り付ける防水工法です。

金属防水
塩ビ鋼板などを用いた工法で軽く強靭、不燃であることで住宅のバルコニーなどに多く使われています。

気をつけなければいけないのはバルコニーに出入りするサッシの下端部分です。しゃがみこんでも見難いので下記のような検査鏡を使います。

kensakagami.jpg検査鏡




次は各部の共通ですが蟻害、腐朽・腐食ついてです。

検査項目は
(1)著しい蟻害
(2)著しい腐朽・腐食

木部の構造体にシロアリの被害が確認できる状態は、構造耐力が一定程度低下していることが明らかで劣化事象になります。
日本に生息するシロアリは下記のようなものがあり、生息域があります。

1)ヤマトシロアリ
2)ダイコクシロアリ
3)イエシロアリ
4)アメリカカンザイシロアリ

 ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布 しています。
 ダイコクシロアリは沖縄、小笠原諸島などに生息しています。アメリカカンザイシロアリは乾いた木材中の僅かな水分で生育できるシロアリです。 元々日本には居なかった種なのですが、木材や家具の輸入によって運び込まれたようです。

秋田県での蟻害として考えられるのはヤマトシロアリが大半であるといっていいでしょう。
近年、基礎の外断熱の断熱材から蟻が侵入した例もあります。各メーカーでは防蟻断熱材を出ていますので新築、断熱リフォームの際はそのような材料を使用することが必要です。

腐朽・腐食についてです。
腐朽は木材腐朽菌によるものです。木材腐朽菌は木を媒介にして成長するキノコです。食卓でお世話になるエノキタケ、シイタケ、ブナシメジなども、学術分類上は木材腐朽菌と呼ぶ菌と同じ仲間(白色腐朽菌)です。
住まいの敵となる腐朽菌として代表的なものは2つです。
その菌によって最終的に木材が変化(腐った)色から、褐色腐朽菌と白色腐朽菌と言われています。

その被害の例がこの写真です。
fukyuukin.JPG


その対策は水か養分を絶つことになります。
そのため、木材を乾燥した状態に保つこと、また、防腐剤による処理も有効です。水は雨水のよるものばかりでなく結露によって水が供給されます。
写真はサッシ脇からの水侵入があって新築当時防腐剤による処理が行われていなかったようです。


次回からは内部の検査(健康診断)に移ります。



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